開催趣旨
19世紀ヨーロッパでは、世界各地から送られてくる物珍しい動植物が人々の関心を集め、標本の展示会が開かれ、実物大の絵に解説を付した図譜が多数制作されました。なかでもイギリスの博物学者ジョン・グールド(1804-81)が制作した鳥類の図譜は、絵の美しさと学術的内容をそなえ、現在も世界的に貴重な資料として高く評価されています。
このたび、玉川学園創立90周年を記念し、玉川大学教育博物館の所蔵するジョン・グールドの鳥類図譜41巻を6年ぶりに公開するとともに、山階鳥類研究所より『オオハシ科鳥類図譜(補遺)』『キヌバネドリ科鳥類図譜(補遺)』『鳥の図像』の3巻及びグールドの標本6体を出品いただき、国内で初めてグールドの鳥類図譜44巻を一堂に展示する特別展を開催します。
また、学外に特設した池袋会場と玉川学園会場で順次開催します。
展示内容
展示は、「鳥類図譜の成り立ちと技術」「グールドの鳥類学」「19世紀の鳥類図譜」などをテーマに、グールドの鳥類図譜を中心に、同時代に制作された他の鳥類図譜、グールドのスケッチ、レイアウト画などによる図譜の制作過程や石版画の制作方法がわかる資料、鳥類の進化の様子をグールドの図版で示した鳥類系統樹マンダラなどを展示します。