江戸時代に成熟した浮世絵界は鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、勝川春章、葛飾北斎、歌川広重など著名な浮世絵師を輩出し、西欧ではジャポニスムが生まれました。
浮世絵の祖といわれる菱川師宣は庶民の風俗を中心に肉筆画、版画、版本挿絵などを制作し人気を博します。明和2年(1765)頃に鈴木春信たちにより考案された多色摺版画は錦絵と呼ばれ、多様な摺りや判型で版行されるようになると美人画、役者絵、相撲絵、武者絵、双六、風景画などが大量に制作されました。
この度は初期から終焉に至る浮世絵の流れを概観し、各時代に活躍した絵師や描かれた風俗のほか、肉筆画や版画の種類、浮世絵の制作工程など浮世絵の基本的な事項も紹介します。