赤崎水曜日郵便局(2013~2016/つなぎ美術館開催)は、つなぎ美術館の住民参画型アートプロジェクトの一環として、映画監督の遠山昇司とアーティストの五十嵐靖晃の発案により、熊本県津奈木町にある海の上の廃校、旧赤崎小学校に開局しました。その後継企画として遠山昇司が主導し、宮城県東松島市の漁港に開局したのが鮫ヶ浦水曜日郵便局(2017~2018/水曜日観測所主催)です。水曜日の物語が綴られた手紙を個人情報を伏せたうえで無作為に交換し、再び誰かのもとへ届ける両局に寄せられた手紙の数は約1万5千通。偶然が生み出す手紙による一期一会が、人々のなかで必然へと変わるとき、混沌とした現代の社会で両局が担った役割がおぼろげながら浮かび上がってきました。本展では熊本と宮城で開局し、大きな反響を呼んだ水曜日郵便局の活動を振り返り、あらためてその社会的意義を考えます。