小林健二は、1957年東京は新橋に生まれ、70年代半ばから、その卓抜した表現力により絵画や立体などのジャンルを越えた自由な創作活動を続けています。彼の作品には、鉱物結晶や粘菌といった天然界に繰り広げられている現象や、古代の神話や巨石をもちいた遺構など天然への畏敬から生まれたと感じられるもの、また彼自身がみた夢などから生まれるイメージが根底にあるように思われますが、これらはそれぞれ一見無関係に見えながら、ある視点から見るとまるで星座を成しているかのようにひとつの世界を構成しています。光と闇あるいは永遠と瞬間という、相矛盾する状態が融合するその作品からは、天然界には実現されるであろう自由と合一へのやむことのない憧れや、生を支える死を想うことなどのメッセージが伝わってきます。150点あまりが展示される本展にて、彼の内面から生まれているこれまでの代表作と共に、すべての作品世界に脈々と流れている、ある光の夢からつくられた作品をはじめてご紹介いたします。