タグチ・アートコレクションは、実業家・田口弘氏、娘の美和氏の二代にわたって取り組まれている現代美術のコレクションです。1990年頃、キース・ヘリングの版画に魅せられて始まった収集は、いまや現代美術の動向を地球規模で概観するコレクションへと発展しています。
本展は、タグチ・アートコレクションを初めて北海道で紹介するものです。日本、アジア、アフリカ、中東、欧米のすぐれた現代アーティストの絵画、彫刻、写真、映像など、60余点を紹介します。紙袋、糸、土、剥製、ガラスなどの多様な表現素材と、創造的なアプローチから、視覚と感情をゆさぶるような力強い表現が生み出されています。そこには、アーティストが生まれた国の歴史や文化、根拠地としている場所や社会の状況などが、色濃くにじんでいます。地球をパレットだとするならば、現代アートは、そこにあらわされた多彩な絵具なのだということができるかもしれません。
三笠市出身の川俣正、別海町ゆかりの大竹伸朗、上川町出身のスキージャンプ選手・高梨沙羅をモティーフとする作品、エゾシカの剥製を用いた作品など、北海道ゆかりのアーティストや作品も注目です。「いま」に根ざして表現するアーティストの斬新な表現は、私たちの心に深い共感をよびおこすことでしょう。