戦後の日本画壇を代表する平山郁夫は、仏教伝来の道でもあるシルクロードを旅し、日本文化の源流を求め、また平和を祈りながら描き続けた画家であります。画業の傍らにはアフガニスタンのバーミヤン、中国の敦煌など、世界の危機に瀕した文化財の保護にも尽力し、ユネスコ親善大使なども歴任しました。そうした多岐にわたる活動を行ってきた平山郁夫が逝去して、早くも10年の歳月が経とうとしています。当館では、2019年3月から没後10周年の節目にあわせた展覧会を開催しております。後編の本展では、平山郁夫の作品のテーマの一つである「仏伝」に焦点をあて、《出現》や《行七歩》など初期の作品をはじめ、山梨県にゆかりのある日蓮を描いた《日蓮聖人画像》など、平山郁夫の仏教絵画の世界をご紹介いたします。その他、春期展で話題となった、群青の表紙絵シリーズも継続して展示いたします。