「日本」の姿・かたちは、どのように地図に表現されてきたのでしょか。例えば、西洋社会が「日本」について「黄金の島=ジパング」としての情報しか得ていなかった時代、西洋製の地図などに見える「日本」は、われわれが知っている姿・かたちとかなりかけ離れています。また、江戸時代中期を代表する地図作家石川流宣(いしかわりゅうせん)が描く「本朝図鑑網目(ほんちょうずかんこうもく)」では、海岸線が実際よりも入り乱れ、東北地方が短いものとなっています。
このように、洋の東西を問わず、色々な姿・かたちをした「日本」の地図が生み出されてきましたが、これは地理的な情報が少ないが故の産物であるだけではなく、一方では地図上に多くの情報を押し込もうとしたからとの指摘もあります。
今回の企画では、館蔵の古地図をもとに、色々な姿・かたちをした「日本」をたどります。あわせて、皿や鏡などのデザインとして用いられた「日本」の姿も紹介します。