今日の西欧世界の礎(いしずえ)となった古代ローマ帝国。今も私たちを魅了するその文化遺産は、芸術家たちの手本やインスピレーションの源となってきました。18世紀のイタリアは、ポンペイなどの遺跡の発見・発掘によって考古学の面からも注目され、芸術分野に大きな刺激を与えました。古代の名所旧跡を描いた景観画、古代ローマにヒントを得た奇想画や装飾デザインが開花する一方、芸術家による考証作業に基づく著作も発表されます。本展は、都市ローマと南イタリアに残る古代ローマの遺産を主題として、古代に寄せる芸術家の情熱から生まれた多様な展開を、16世紀から18世紀にかけてたどります。考古学と芸術とが出会い、誕生した、想像力に満ちた作品が広がる世界をお楽しみください。