寺門孝之展を最初に手掛けたのが1995年の「天使たち」。豊かな色彩と物語を紡ぎ出す力を知った。単に輝くというのではなく透明感があり、1993年HOCKNEY'S OPERA展で見た印象と重なり「TERAKADO OPERA」を見たいと伝えた。ホックニーの空気感を寺門も持っていると直観したからだ。その後、天使を主題にしながら謎に包まれた濃厚な物語の気配を纏いはじめてきた。今回の主題に驚嘆した。精緻に研究しつくしたイタリア古典絵画の天使と能を融合させ、社会的課題を融合させた新作能を創作し、世界へと発信する、そのスタートを告げる場へようこそ。 島田誠