解読せよ、霧の中で。
1960年代末から70年代にかけての美術状況を、記録写真や資料との関係から検証します。近年国際的に評価が高まっている「もの派」と呼ばれる同校の見直しを契機として、関根伸夫の資料、多摩美術大学アーカイヴセンターと共同で進めている「もの派アーカイヴ」関連の展示、この時代から現代に至るまでの美術状況を広い視野において再考するための写真や映像によるアクチュアルな展示、以上の3つの柱を中心に構成します。それぞれに異なる動機から発生した3つの柱から派生する展示が、時に重なりながら親和性を帯び、時にズレながら挑発しあうような、刺激的な時空間を出現させることによって、「ポスト工業化社会の美術」という見取り図を提起します。