このたび、山種美術館の広尾開館10周年を記念して、近代日本画を代表する画家、横山大観(よこやまたいかん)・菱田春草(ひしだしゅんそう)・川合玉堂(かわいぎょくどう)・川端龍子(かわばたりゅうし)の作品を一堂に展示し、ご覧いただく展覧会を開催します。
大観・春草・玉堂・龍子はいずれも、伝統をふまえながら新しい時代に即した絵画を模索し、日本画の発展を導きました。大観と春草は日本美術院において、さまざまな技法や表現を試み、革新的な日本画を生み出しています。玉堂は官展を中心に活躍し、日本画における風景表現に新境地を拓きました。また、龍子は、再興日本美術院を脱退して自ら主宰する青龍社(せいりゅうしゃ)を創立、大画面の迫力ある作品を発表し、画壇にインパクトを与えました。これら4人の画家に焦点をあて、彼らの画業をたどりながら、近代日本画の歩みを振り返ります。
本展では、南画とやまと絵を融合させた大観《作右衛門の家》、光や空気の描出に挑んだ「朦朧体(もうろうたい)」の代表作である春草《釣帰(ちょうき)》、田園の情景を生き生きと描いた玉堂《早乙女》、第1回青龍展に出品された記念碑的な龍子《鳴門》など、山種コレクションから各画家の珠玉の作品をご紹介します。近代日本画のパイオニアとして画壇を牽引した、大観・春草・玉堂・龍子の競演をお楽しみください。