舟越桂は、1951年彫刻家・舟越保武の次男として生まれ、東京造形大学、東京芸術大学大学院に学びました。1980年代初めには楠(くすのき)を使い、大理石の眼をはめ込んだ半身像に着手。独自の彫刻すら居るを確率し具象彫刻な新たな可能性を切り開いた作家として大きな注目を集めました。これまでベェネツィア・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレ、ドクメンタIXなど海外展をはじめ多くの展覧会に出品を重ね、本年は第33回中原悌二郎賞を受賞。めざましい活躍をみせています。
本展は、舟越桂の20年あまりの制作の歩みを、最新作を含む37点の木彫作品、さらにドローイングによってたどる初の本格的な回顧展です。人間そんざいに対する普遍的な問いを喚起させ、現代に生きる私たちの共感を呼ぶ舟越桂の人間像。その豊かで多様な造形世界を心ゆくまで堪能してくただく機会といえるでしょう。