学生時代に独学で油彩画をはじめた画家・清川泰次(1919-2000)は、1950年代の渡米を機に、本格的に具象表現から抽象表現へと移行し、写実的な形態に捉われることなく独自の芸術を探求し続けました。
2019年度の第2期となる本展では、清川の画業の前半をご紹介した第1期に続き、画業の後半にあたる1960年代半ばから晩年までの作品を展示します。
清川は1963年から66年まで、2度目の渡米を果たしました。滞米中より、清川の画風は次第に白を基調としたシンプルなスタイルに変わっていき、この「白の時代」とも言える表現は80年代まで続きました。その後、90年代に入ると、再び画面に色彩が戻り、様々な色の線や、幾何学的な形により画面が構成されるようになります。清川の探求は平面作品にとどまらず、ステンレス製の彫刻や、ティーセット、グラスをはじめとした生活用品のデザインにまで広がりをみせました。
色・線・形の構成から成る美を追求し、精力的に制作を続けた清川による、幅広い創作の展開をご覧ください。