「タイルとホコラとツーリズム」は、京都市内に点在する路傍祠のリサーチをきっかけに、美術家の谷本研と中村裕太が2014年より展開するプロジェクトです。祠にまつわる土着の信仰や人々の営みに向き合い、観光のまなざしと独自のユーモアを交えて作品を生み出してきました。
今回は、広島市現代美術館がある比治山のふもとに位置する段原地区でのリサーチを出発点としました。そして、明治期に同地区出身の和田郁次郎(1847-1928)率いる多くの広島県人が、北海道の現・北広島市に開拓移民として入植したことに着目しました。本展では、1984年に広島市内のデパートで開催された「北海道移住100年記念展」を糸口に、当時の記録資料や、現在の北広島市民の手で制作された映像コンテンツなどを交えて展示が構成されます。野球場に見立てた会場に現れる“もうひとつの広島”をお楽しみください。