「紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコの世界遺産に登録されて15周年を迎えることを記念して、当地熊野のシンボルともいえる「滝」の表現をテーマにした展覧会を開催します。
滝の中でも特に、133mの日本一の落差を誇る「那智大滝」は、その荘厳さと信仰の歴史に多くの画家たちが魅了され、作品としてきました。本展ではこの「那智大滝」を中心に、「滝」の表現が日本近世以降の絵画においてどのように変遷してきたかの一側面を振り返ります。
田辺市立美術館では、江戸時代中期に中国からもたらされ、日本で独自の発展をみた文人画と、文人画が衰退してからも、その伝統を引き継ぎながら新しい水墨表現を開拓した近代の南画家たちの「滝」の表現を展観します。
また熊野古道なかへち美術館では、近代以降、特に戦後において新たな造形表現を模索した日本画家たちによって斬新な描かれ方をした「滝」を紹介します。