アーツ前橋は中堅アーティストの作品を通して新しい芸術の創造と出会う企画展「Art Meets」を毎年開催しています。第6回目は、生まれ育った地域の歴史と深く関わる馬、さらに東日本大震災後に東京と相馬を行き来する途中で眼にする変わりゆく風景を描き続けている門馬美喜と、ドローイング制作や作品鑑賞といった人間の行為を技術によって代替する作品を制作しているやんツーの二人の作品をご紹介します。
門馬美喜の作品は、個人のアイデンティティと深く結びついた絵画表現を通し、人間と自然の関わりに私たちの眼を向けさせます。いっぽう、やんツーの作品は、新しい情報技術を駆使し主観性や芸術創造をめぐる人間の知性のあり方を問いかけるものです。人間にとって絵画や情報技術は自分を取り巻く環境について理解するために生み出したものでもあります。この展覧会は、現代を生きるふたりのアーティストが歴史、自然、情報技術による個人への影響を感じ取り、表現した作品に触れる貴重な機会になるはずです。