この度東京画廊+BTAPでは藤幡正樹個展「E.Q.」を開催いたします。
弊廊では1968年に視覚をテーマにした展覧会を二つ行なっています。一つは見ることに疑義を呈する「トリックスアンドビジョン盗まれた眼」展、そしてもう一つはイメージを新しいメディアからとらえた、CTG(コンピュータ・テクニック・グループ)による「コンピュータ・アート展:電子によるメディア変換」です。昨今の日本のアートシーンはメディアアートによって席巻されつつありますが、そのパイオニアとも言える藤幡正樹の今回の個展は、改めて視ることとイメージの関係を問い直すものです。
展覧会タイトルとなったE.Q.とは、Equalizeの略語です。本来イコライズとは数学で左辺と右辺を等式化することですが、技術領野では歪んだ状態をフラットな状態に戻すことをイコライズと呼びます。メディアは必ず対象を歪めます。この歪みはイコライズ可能なのでしょうか?
本展で展示する作品では、高解像度カメラによってリアルタイムに取り込まれたイメージが、コンピューターによって座標変換され、プロジェクターで投影されます。そこに映し出されるのは鑑賞者の身体のイメージですが、物理的な鏡とは異なり、定着されないデジタルメディア上のイメージは常に移ろい続けます。視覚をテーマとして先鋭的な表現を追求してきた藤幡ならではのインタラクティヴな作品です。
7月6日(土)16時よりアーティストを囲んでのオープニング・レセプションを開催いたします。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。