この度の展覧会は、橋本永興氏(東京都在住・前東京こけし友の会会長)のコレクションをお借りいたしまして、“古作こけし”(昭和初から昭和20年)と、“平成作のこけし”(東京こけし友の会月刊誌『こけし手帖』に掲載された作品)の二本柱で見て参ります。
橋本氏は東京こけし友の会に昭和49年入会され平成13年から事務局をお引き受けになられて、平成24年から30年までの6年間、会長としてご尽力なされました。お仕事をこなしながら、友の会会長としてのお役目を果たすということは、極めてたいへんなことだったに違いありません。その大役を成し遂げられたお力の根源は、ひとえにこけし・こけし界への愛情そのものなのでありましょう。
橋本氏は、「みちのく生まれの伝統こけしを、みちのくの中心である仙台で皆様に見て頂ける事は大変喜ばしい」また、「大正・昭和生まれの古作こけしと、その伝統を受け継ぐ現代の工人の心と技を鑑賞していただきたい」と語っておられます。まさに一個人の人生の足跡であるこの橋本コレクションを通して、伝統こけしの奥深い魅力を拝見して参ります。