日本を代表する女性画家三岸節子は、70余年にも及ぶ長い画業のなかで、その技術を着実に成熟・進化させていきました。がっちりと逞しい造形性と美しいマチエール(絵肌)。画面の底から輝き出す色彩と匂い立つ抒情。「花より花らしく」描かれた三岸節子の絵画は、女性ならではの優しさとともに強さを兼ね備えているのです。
今回の常設企画展「三岸節子:花より花らしく展」は、特別展「生誕100年記念 三岸好太郎展」にあわせて、名古屋市美術館と尾西市三岸節子記念美術館のコレクションによって、その芸術の足跡を紹介するものです。煌めく天才を輝かせて若くして逝った画家三岸好太郎と静かに燃える情熱を持って歩みつづけた女性画家三岸節子。まったく対照的な二人の画家(夫妻)の芸術をお楽しみください。