この度アート・遊では、昨年の沖縄新世代作家展「伝エタイコト」にも参加した沖縄の画家、石垣克子(いしがき?かつこ)の個展を開催いたします。 石垣は1967年石垣島出身。沖縄県立芸術大学卒業後、中・高等学校の美術講師や児童館での美術指導を続けながら定期的に作品を発表してきました。石?垣の作品には、丸顔の人物たちがあたかも不条理劇の一場面を思わせる不思議な仕草で登場しますが、そこには彼女が日常生活の中で経験した家族や友人、生徒たちとの人間関係が折り込まれていたり、また、彼女自身の内面で葛藤する様々な気持ちが擬人化されています。南国らしい明るくダイナミックな色使いも、彼女の作品の大きな魅力といえるでしょう。? 今回の展覧会のテーマとなる「土の話」は、那覇郊外の開発地区で目にした掘り起こされた土砂のイメージが発端となっています。むき出しの土の生々しい迫力、数日もすれば雑草がはびこる逞しい生命力。たとえコンクリートで覆われようとも、場の記憶は「気」の様なものとなって存在し続けるでしょう。石垣は、そうした大地のエッセンスをユーモラスな人物像に託して終わりのない無言劇を演じさせています。? 油彩画やパステルなどの平面作品に、木彫や紙粘土による立体を織り交ぜてお送りする今回の展覧会。ご来場の皆様には、土の人々が物語るお話の中に迷い込んだ様な感覚を覚えて頂けたなら幸いです。どうぞご期待ください。