2019年4月終わりを迎える平成。節目の今、あらためて「昭和」を見つめる展覧会を開催します。
現在90歳となってなお、日本写真界の第一線で活躍し続けている田沼武能。昭和4年、浅草に生まれ東京大空襲を体験した彼は、戦後、土門拳と並び称される昭和の巨匠・木村伊兵衛に師事し、報道写真家の道に進みました。そんな田沼が撮り続けたのは敗戦の混乱から立ち上がり復興してゆく故郷・東京の町、子どもや文化人の姿です。一方、田沼より20歳年上の土門もまた、昭和8年、24歳の時に東京で写真に出会って以後40年余り、様々な角度から日本という国と人を撮り続けました。しばしば「激動の」と形容される昭和という時代をふり返る本展。ふたりの写真家の生きたレンズを通して、荒廃からの復興、そして発展の象徴となったオリンピック前夜までの姿をどうぞご覧ください。