趣旨 この展覧会は、平成元年~30年の間に優れた作品を製作し、刀剣界に大きな貢献を残した者を顕彰し、平成の名刀・名工展として開催するものである。
刀剣製作は戦後、時代環境の変化により一時はその行先を見失いかけたが、人々は武器ではなく美術刀剣という在り方にその未来を見出した。日本刀製作技術は千年余の歴史があり、工芸史上重要な地位を占めるものである。そしてこの現代において、長年の伝統を継承しつつ古の模倣や従来の踏襲に終わらない、伝統の把握と一層の技術錬磨の上に、新しい時代とともにある日本刀の姿を築き上げることが、刀剣製作者の責務であると我々は認識する所である。
本展覧会は、広く人々の批評と御清覧を仰ぎ、美術刀剣ならびに我が国工芸の健全な発展に寄与することを願うものである。