生野祥雲斎は、別府で栄えた竹細工を芸術の域まで高め、重要無形文化財「竹芸」の最初の保持者(人間国宝)に認定された日本を代表する工芸家です。
1923(大正12)年、竹の名手と言われた佐藤竹邑斎のもとで竹工芸の道を進み始め、1927(昭和2)年には居を大分市白木に移し、1974(昭和49)年69歳で没するまでこの地で表現の可能性を探り、竹工芸の美を追求しました。
今回の展示では、「筒に始まり、筒に終わる」と語った祥雲斎が長期にわたって作り続けた筒ものの作品や、実用品でありながら芸術品のレベルを持った此君亭工房時代の作品の中から板ものの作品、東京オリンピックに沸く1960年代、当時最も充実期にあった祥雲斎がアメリカのインテリア・デザイナー、ミセス・パトリシア・ケラー(Mrs.patricia Keller)によって依頼を受け、レストラン「バンブーグリル」の室内装飾として製作された作品と当時の写真資料などを中心にご紹介します。