今村 文展
今村は、自然界の小さな花や虫に精神性を見出し、植物や生物のイメージを創り上げます。独自のドローイングが形づくる花や虫に囲まれた世界をインスタレーションとして構成。抽象化された自然が生みだす複数のイメージは、ギャラリー空間のなかで溶け合い、来場者は不思議なリアリティをともなった自然のイメージ世界を体験することになるでしょう。
小林 清乃展
小林は、人間によって「書かれる言葉」「語られる言葉」に関心を持ち、個人と社会との関わりを問いかける作品を発表しています。戦時下の1945年に女学校を卒業したばかりの女性たちが綴った手紙をもとに、手紙を朗読する複数の人の声を組み合わせたサウンドインスタレーションを構成。発語の作用によって過去の時間に生きた人々の生を呼び起こしていく作品となるでしょう。
遠藤 薫展
遠藤は、「テキスタイル」=「織りなすこと」と捉え、布の持つテクスチャーの背後に複雑な現代社会のあり様や生を見つめなおす行為を織り込みます。沖縄やアジアの人々の生活のなかで育まれてきた布地を起点にしながらも、今日の生活に根差した工芸の可能性を切り開く、複層的な視点を鑑賞者に提示してくれることでしょう。