2019年は、画家・清川泰次(1919-2000)の生誕100年にあたります。清川泰次記念ギャラリーでは、今年度のふたつの展覧会を通じ、清川の約60年にわたる画業を2期に分けてご紹介します。
静岡県浜松市に生まれた清川泰次は、慶應義塾大学経済学部に進学し、在学中に独学で油絵を始めました。1940年代より二科展や読売アンデパンダン展等に出品していましたが、次第にそれまで描いていた具象表現に疑問を抱くようになり、自身の芸術を模索すべく1951年から3年間アメリカに渡ります。清川は、この渡米を機に本格的に抽象表現へ移行することを決め、その後は線と色面のみによる表現で、ものの形を写すことに捉われない独自の芸術を探求しました。
第1期となる本展では、清川が画家として歩み始めた1940年代から60年代半ばまでの作品を展示します。画面から次第に具象的な形が消え、多様な線と色面を交錯させた表現へと移り変わっていく、
清川のスタイルの変遷をご覧ください。