私たちの身の回りには、Color=色があふれています。色は大前提として現実を再現する役目を持っていますが、美術作品における色は、主題や構図とともにとても重要な要素を占めています。そして色の機能や意味は多種多様であり、私たちは色を通して作品の主題、心理的状況など、作者からの様々なメッセージを受け取ります。メッセージの受け取り方は、観る者の文化的背景や、それまでの人生経験に左右されるため、すべて同じ内容にはなりません。しかし、色には古今東西、万国共通のイメージというものがあることもまた、忘れてはいけません。
本展ではそんな様々な機能や意味を持つ美術作品の“色”に着目し、美術作品を通して、色がもたらすイメージやメッセージだけでなく、主題の意味合いをより強く印象付ける色、作家の思いや思考を表す色など、色がもたらす様々な視覚的、心理的効果を読み解きます。