「漆」・「漆器」は英語にすると「japan」と呼ばれ、まさに日本を代表する素材です。
温暖湿潤な気候の中で育った漆の木から採取される日本漆は、日本の気候と日本人の美意識、そして匠の技によって手を加えられてきました。漆は防水性・耐熱性・耐久性を高める他にも、麗しい深みのある色や独特の質感、光沢とあたたかくやわらかみのある手ざわり、気品に満ちた風格を与えます。本展ではそうした漆の表現の可能性を追求する漆芸師・浅井啓介の漆の世界を紹介します。
日展で活躍する浅井は漆を単なる伝統的な工芸品だけではなく、生活のあらゆるシーンを演出できる素材としてとらえ、漆による現代にあった空間つくりを実現しています。空間を一新する大型の壁面作品や独創性に富んだオブジェ、食卓を彩る漆は、大胆な意匠の中に緊張感のある丁寧な手仕事を見ることができます。漆芸に向き合い、現代のニーズにあった漆の展開を見せる浅井の今に生きる漆工芸をお楽しみください。
また期間中は浅井による器でカフェメニューを提供いたします。(別途有料)五感を使って楽しめる爲三郎記念館ならでは作品との語らいをお楽しみください。