『Naked Theatre』。それは「裸の劇場」だと小金沢は語ります。
劇場というブラックボックスは通常何かしらの演目で埋め尽くされており、役者や台本、照明や音響設備は、演目を象るためそれぞれの使命を帯びています。小金沢は、KAATが保有する舞台用の照明や音響設備、スモークマシーンなどを身体器官のようなものとして捉え、「演目」ではなく、むき出しになった劇場を顕在化することに着目しました。
たくさんの機材とそれを動かすスタッフ、また舞台セットの搬出・搬入や会場の下見、電気故事から本番前の稽古まで、公演の裏側で日々起こっていることを取材しながらつくられた『Naked Theatre』。小金沢のインスタレーションを通して、KAATは、劇場空間のオルタナティヴな在り方について積極的な問いかけをします。