木田金次郎(1893-1962)は、有島武郎(1878-1923)との運命的な出会いから、彼の小説『生れ出づる悩み』(1918年)の主人公のモデルとして描かれ、広く知られることとなった画家です。有島の示唆を受け、故郷岩内を拠点に描き続けたその作品は、『生れ出づる悩み』出版100年を迎えた昨年、東京や札幌でも展示され、多くの方にご覧いただきました。
1994年の開館から、活動を続けてまいりました木田金次郎美術館は、本年開館25周年を迎えます。年に3回の展示替えを通じて、木田作品をさまざまな形で紹介してまいりました。
当館では、木田作品の画風の特徴やエピソードを、より親しみをもってお伝えできればと、遊び心もそえながら、カルタ風の解説を付けて紹介するという試みを行ってきました。「木田金次郎あいうえお」(2017年)、「いろはに木田金次郎」「みんなでつくる いろはに木田金次郎」(2018年)です。“肩のこらない展覧会”として、多くの方に好評をもってご覧いただきました。
今回は、これまでの“カルタの読み札”をすべて一新して、あらためて木田作品の魅力を、親しみやすくお伝えしようとするものです。
「かきくけこ」と、五十音がすべて含まれている “カルタの読み札” から、木田作品のエッセンスを読み取っていただければ幸いです。