近年のマスコミュニケーションの発達に伴い、多様な活躍の場を与えられたイラストレーションには芸術的に優れたものが多く、映画、写真と並んで、美術に独立したジャンルとしての地位が認められてまいりました。なかでも、絵本の挿絵はとりわけ高い芸術的達成を示して大きな注目を集めています。北イタリアの古都ボローニャで毎年開かれる「児童図書展」に併設された「イラストレーションコンクール」は、絵本制作を目指すイラストレーターたちの発表の場として重要な位置を占め、今日の絵本挿絵の最新の動向を知らせる公募展として高く評価されています。本展では入選作品のほかに、2002年アンデルセン賞を受賞したイギリスの人気イラストレータ、クェンティン・プレイクの作品も特別展示します。