この度、東京画廊+BTAPでは金洪疇展を開催致します。本展はアーティストにとって日本で初めての個展となります。
金洪疇(キム・ホンジュウ)は1945年に韓国忠清北道の懐仁に生まれ、1981年に弘益大学院西洋画科を卒業。現在はソウルを拠点に制作活動しています。
1970年代、金は韓国に紹介された欧米の美術に影響され、前衛グループ「S.P.グループ」を結成しました。しかし、活動を続けるうちに、欧米中心の現代芸術への関心を徐々に失いました。1970年代後半からは、コンセプチュアルアートと決別し、写実的な表現(ハイパーリアリズム)に傾倒します。初期の金は鏡、窓などに油彩と細筆で人物や風景を描いた作品を制作しましたが、その後、支持体を既成のオブジェからキャンバスへと、また絵の具を油彩から速乾性のあるアクリルへと移行させ、独特の作風を完成させました。
金はキャンバスの上にゲッソを下塗りしたのち、細筆を用いてキャンバス表面の糸目に沿って無数の線を描きます。ひたすら繰り返すうちに現れる巨大なイメージは、時には花になり、時には風景になります。2000年代の初頭まで、花や葉のような特定のモチーフを持っていた金の作品は、2000年代後半には強い抽象性を示すようになりました。本展でご紹介するのは、それら抽象の作品群です。
金は1978年に韓国美術大賞展最優秀フロンティア賞、そして1980年にフランス・カンヌ国際会にて特別賞を受賞しています。また主な作品の収蔵先としては、福岡市立美術館、韓国国立現代美術館、アートソンジェセンター(韓国)、トータル美術館(韓国)、サムソン美術館リウム(韓国)などが挙げられます。
初日の3月2日(土)16時より、来日中のアーティストを囲んでのオープニング・レセプションを開催いたします。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。