泥の中から伸び、水に触れることなく清らかに咲くハス花は、“蓮華(れんげ)”と呼ばれ、仏教を象徴する花として知られています。「ほとけをめぐる花の美術」展は、この蓮華をはじめ、釈迦の生涯を見守った無憂樹や沙羅、想像上の花である宝相華(ほうそうげ)や宝樹(ほうじゅ)、日本の聖地に咲く桜など、30数件の仏教絵画に描かれたさまざまな花をご覧いただく展覧会です。さらに、経箱(きょうばこ)、華鬘(けまん)、華籠(けこ)など、蓮華をあしらった工芸品約10件が、ギャラリーに華を添えます。
華麗な花をまとうビジュアル・イメージをともなうことで、仏教の教えは人々の心に鮮やかな印象を刻み、広まっていったのです。