「Gallery F コレクション再発見」とは……
小さな展覧会を「GalleryF」と名付けました。福島県立美術館は、1984年に開館して以来、約3800点の作品をコレクションしてきました。その中から、今まで紹介できなかった作品や新収蔵品を取り上げたり、テーマを絞って掘り下げたり、小さいからこそチャレンジし、コレクションの多様な魅力をご紹介しようという企画です。2017年から始まったこの企画は、今回2つのGalleryFをオープンいたします。
1|福陽美術会100年 100th Anniversary of Fukuyo-bijutsukai
1919(大正8)年4月、福島県出身の日本画家が東京で結成した美術団体、これが福陽美術会です。同郷の仲間とともに研鑽を積み、展覧会を行う団体として注目されました。
東京美術学校出身で、官展系作家だった勝田蕉琴(しょうきん)、荻生天泉(おぎゅうてんせん)、坂内青嵐(ばんないせいらん)、太田秋民(しゅうみん)を中心に、日本南画院の湯田玉水(ぎょくすい)、のち日本美術院展同人となる酒井三良(さんりょう)らを加え、会派の枠を超えた結集を呼びかけた結果、郷党的団体が誕生したのです。
彼らは、1920年~昭和戦前期にかけ、15回に及ぶ展覧会を東京と福島県内双方で行い、第二次大戦後は福島県展に合流して、親睦団体へと移行しました。結成100年を記念し、当館コレクションにより、その活動を振り返ります。
2|アートカード★チャレンジ Challenge with Artcard
「アートカード」は、当館所蔵作品の画像をカード形式にした鑑賞用補助教材です。アートカードの様々なあそびを通して、多くの子ども達が美術作品に関心を深めていくことを願い、2017年度から教育機関への貸出をはじめました。
本展では、このアートカードを使って、福島県立福島東高等学校の生徒たちが考えた小さな展覧会を、実際に当館の所蔵作品を展示して再現します。あわせて、生徒がテーマを元に作品を選び、展覧会が完成していくまでの活動風景などをパネルで紹介いたします。