現在のトルコ共和国は、2つの大陸にまたがり、3つの海(黒海・地中海・エーゲ海)に囲まれ、アナトリア高原を中心とした1500キロにもわたる広大な国土をもつ国です。人々を魅了してやまないこの土地では、先史以来民族の興亡が数多く繰り返され、いくつもの巨大帝国が繁栄しました。その過程で、さまざまな民族・宗教がとけあって、歴史上たぐいまれな文明をはぐくみ花開かせてきました。
トルコは「文明の十字路」にふさわしく、東と西の人類・文化が融合された希有な存在です。
「トルコ三大文明展」では、トルコの地に栄えたヒッタイト、ビザンツ、オスマンの各帝国とその文化に焦点を当てます。ヒッタイト帝国は古代エジプトと対峙して人類史に多大な影響を与え、ビザンツ帝国は、ローマ帝国千年の都市コンスタンチノープルにキリスト教文化をはぐくみ、そしてオスマン帝国は600年以上も続いた大イスラム帝国を築き上げました。
本展では、牡牛形儀礼容器(リュトン、前16世紀)、オーソスタット(宮殿、神殿のレリーフ付き羽目板・石壁『ライオン狩り』、前11-10?世紀)、アレクサンドロス大王像頭部(前2世紀前半)、アルテミス・エフェシア像(2世紀)、ターバンの飾り(17世紀)宝石付きあぶみ(18世紀)など、トルコ国内の博物館が所蔵する19世紀までの文化財約200点を公開します。
また、トルコ政府より特別許可を得て、世界最大級のエメラルドを散りばめた短剣、通称「トプカプの短剣」が日本初公開となります。