漆工芸は大陸などから日本に伝来し1300年以上の歴史を持っています。日本では独自の様々な工夫により高度な技術が生み出され、今日では日本を代表する漆芸URUSHIとして世界に知られています。
本展は、第1章「近代の名匠」として、江戸時代末期から活躍した小川松民など8作家、第2章は「無形文化財制度と日本工芸会」として、第1回人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定され、工芸を芸術の域に高めた松田権六を中心に時代に即した新たな挑戦と技術の練磨を目的に日本工芸会を結成した作家を紹介。第3章は「日本伝統漆芸展へ」日本伝統漆芸展は第35回展を迎えました。日本工芸会の漆芸部会が高度な技術を必要とする漆芸に、若い作家の発表の場を設け広く普及することを目指し開催された日本伝統漆芸展の物故作家を紹介。第4章は「現在をつくる作家たち」。現存の人間国宝作家11名から若手作家までを含めた60作家の革新の軌跡を紹介。
近代から現代まで93作家、約140点の作品により、時代に挑みつづける作家たちの技の極致を一堂に展示する大変貴重な機会です。
さらに松田権六の漆椀を特集展示し、松田が後世に継承しなければと考えた技法を活かした椀で、日本人の感性と美意識を改めて再認識する機会となれば幸いです。
そして漆芸作品が持つ歴史、技が生み出す美と共に新たな挑戦へ進む漆芸URUSHIの魅力をご堪能ください。