無数のイメージやアイデアが
浮かんでは消え、消えてはまた浮かびます。
見なれた風景や見すごしていたものたちをじっと観察し、
いちばん奥にひそんでいるはだかの原理のようなものを探りあてると、
まだなくてもきっとあるはずの可能性が、次々と湧きあがってきます。
そっらをふくらむだけふくらまし、
やわらかなフォルムを実験的にあたえてみる。
すると知らず知らずのうちに、まったく異なる領域の発想と発想が
くっつき、広がり、変形しはじめ、思いもよらない未知の姿になることも。
そんなとき、心がぞくぞくと揺さぶられます。
私にとってデザインとは、分裂や合体をくり返す細胞増殖のような、
途切れのない動きそのもの、なのかもしれません。
形でありながら、形ならざるもの。ならではでありながら、らしからぬもの。
ひとつの答えでありながら、いくつもの謎のはじまりであるもの。
そんな、とらえどころのない可能性の群がりを通して、
身近な世界が見知らぬ世界のように感じられ、
ときめきや不思議が続々と生まれうることを
発見してもらえたら嬉しいです。