和紙は、わたしたちの暮らしのさまざまな場面で活用されています。そのスタイルも変化に富んでおり、伝統的なものから現代風にアレンジされたものまで多種多様です。この和紙を製品として身近に届けてくれるのが伝統工芸の職人の技なのです。今回の展示では、江戸唐紙・江戸提灯・江戸千代紙・江戸表具・ちりめんもみ紙・水引・木版画(摺師)といった、和紙を素材として扱う職人たちの技術と文化を紹介します。
また、紙漉きは美濃紙や土佐紙などでも知られるように全国各地で地場産業として行われていますが、江戸時代の終わり頃には文京区の音羽を中心とした地域でも紙漉きが行われていました。紙漉きが盛んであった頃の様子を示す資料をとおして、文京区の紙漉史もあわせて紹介します。