ヤマモト・カネフミ1918-1992
平成30(2018)年は、鳥取県を代表する彫刻家・山本兼文の生誕100年に当たる年です。岩美町出身の山本兼文は、鳥取師範学校を卒業後、教鞭を執る傍ら、昭和15年から3回続けて独立展(絵画部門)に入選するなど、最初は画家を目指していました。しかし、ちょうどその頃、日野郡二部(現伯耆町)出身の辻晉堂と出会い、その人柄と作品に強い感銘を受け、彫刻制作に向かいます。以降、日本美術院展(院展)への発表を続け、昭和28年には同展にて佳作、昭和33年には奨励賞を受賞し、彫刻家として認められることとなります。その作品は、木やセメント、石などを素材とし、動物や肖像なとやの小品から、抽象表現へと展開していきます。院展の彫刻部門が解散後は、二紀展での発表を精力的に続け、昭和52年の同展出品作「石会」では、文部大臣賞を受賞しました。
このたびの展覧会では、当館と鳥取県内個人が所蔵する彫刻作品を中心に、初期から晩年までの多様な作品を展示します。また、主に県東部エリアに設置されている野外彫刻をパネルにて紹介し、山本兼文の制作活動を回顧します。