松岡コレクション 中国動物俑の世界
古代中国では、霊魂は不滅であると考えられており、墓所で先祖の霊魂が不自由なく暮らせるよう、死者とともに木、土、金属などで作った人形-俑を副葬する風習がありました。俑のなかでも、土を成形し焼き上げた陶俑は原料調達や制作の容易さ、長持ちするといった利点から、様々な地域で長きにわたり作り続けられました。生前の住環境を再現する陶俑の題材は、墓主に仕えた従者や身のまわりの調度品、器皿にとどまらず、犬、鵞鳥、牛、馬、駱駝など多種多様な動物にまで及びます。
本展では館蔵の中国陶磁コレクションより、午年であった創立者 松岡清次郎が好んで蒐集した三彩馬を始めとした漢代から唐代の動物俑を中心に多彩な陶俑の魅力をご紹介いたします。
松岡コレクションの日本油彩画
半生をかけて美術品を蒐集してきた松岡は、80歳を契機として個人コレクションを広く一般に公開するため、当館を設立しました。
それからも最晩年の94歳までロンドン、ニューヨーク、香港へと海外のオークションに赴くのですが、その合間を縫って、美大系予備校の運営を契機に関心を寄せた現代作品を求めて、毎年上野で開催される日展、院展、新制作展など国内の団体公募展にも熱心に足を運びました。こうして収蔵された油彩作品は130点に上ります。本展では、この中から約25点をご紹介いたします。躍動感、人間心理、幻想性、リアリズムの追求、そしてノスタルジックな味わいを、どうぞお楽しみください。