舞台を彩る美しい造形があなたの目の前に。
ステージ上で堂々たる演技を披露する出演者たち。彼らを舞台の主役とするならば、周りを取り巻く衣裳や舞台美術は、オペラを支える名脇役と言えるでしょう。美しくきらびやかな衣裳や本物と見まがうような小道具は、それぞれの劇場の個性を際立たせ、観る者を異世界へと誘う大切な要素です。
今年10月、北海道初となる多面舞台を備える札幌文化芸術劇場 hitaruが誕生。こけら落とし公演『アイーダ』を皮切りに、これまで北海道では実現が難しかった大規模オペラやバレエなどが上演されます。舞台芸術をますます身近なものとする札幌文化芸術劇場の開館を記念して、総合芸術であるオペラの美術の側面に光をあてた展覧会を開催します。
古代エジプトを舞台にしたオペラ『アイーダ』といえば、どの歌劇場でも大掛かりな舞台が見どころです。本展では、世界でも有数の華やかさを誇る東京・新国立劇場の絢爛豪華な衣裳と舞台美術を中心にご紹介します。これらは全て1998年の新国立劇場開場記念公演の際に、巨匠フランコ·ゼッフィレッリの指示のもと、イタリアの工房で製作されました。普段は遠く客席からしか見ることのできない品々を、細部のこだわりまでじっくりと間近にご覧いただきます。