京都国立近代美術館は昭和38年(1963)3月に国立近代美術館京都分館として創立され、当初は工芸を中心に収集を行っていましたが、昭和42年(1967)に独立以降は美術全般に収集対象を広げています。収集方針の中には「日本画については、とくに謂わゆる京都画派の画家の作品を収集する」という項目が設けられていて、これは特に京都の美術館という性格をより特徴づけるための方針でした。以降、同館では京都画派を中心に作品の収集が行われ、現在では650点にものぼる日本画が所蔵されています。
本展覧会は京都国立近代美術館が所蔵する多くの日本画の中から、60作家70点の作品を精選し展示するものです。東西の造形美の融合を試みた京都画壇の重鎮・竹内栖鳳とその弟子である西山翠嶂らの作家をはじめとして、前衛的な日本画を生み出そうとした土田麦僊や村山華岳らの国画創作協会の面々、さらに創造美術の上村松篁、広田多津ら、パンリアル美術協会の下村良之介や三上誠たちの作品などもご覧頂きます。明治から昭和にかけて、西洋の影響も受けながら多様に変化してきた京都画壇の画家たちの各々の美意識と作品の魅力を、この機会にぜひご堪能ください。