聖母子を主題とする絵画は、ヨーロッパにおいて古くからさまざまな様式において表現されてきました。愛らしい幼子キリストと慈愛に満ちた聖母マリアの姿は、神々しさと同時に永遠の母子の絆の象徴として、見る人を感動させてきました。さらに時代が下るに連れて、普通の人間としての母と子の慈しあむ様子も絵画の主題として繰り返し取り上げられるようになりました。
本展では、16世紀から19世紀までの巨匠たちの、それぞれの特色をもった個性的で豊かに彩られた聖母子像や、母と子、および子供たちの肖像画の表現の移り変りを紹介します。普遍的な母と子の愛情あふれる姿や、愛らしい子供たちの肖像画をお楽しみいただきたいと存じます。
出品作57点は、すべてポーランドのワルシャワにあるヨハネ・パウロII世美術館の所蔵品です。