19世紀後半から20世紀にかけて、フランスを中心に展開した美術界の変革は、その後の近代芸術の行方を切り開く画期的な出来事でした。印象派をはじめフォーヴィスム、キュビスムなどそれまでの数百年にわたる芸術の常識を覆し、新しい時代の幕開けを告げたのでした。それは自然の再現だけが美術の役割ではなく、人間性を解放した作家自身の個性こそが美術を形づくる源であることに人々の目を向けさせたのです。また国境を越えた人々の行き来が加速化され、活気にあふれたパリには新しい表現を求めて国内外から芸術家たちが集まり、エコール・ド・パリと呼ばれた一時代を築きました。
本展では笠間日動美術館の西洋画コレクションより魅力あふれる作品を選ぶとともに、三重県立美術館のご協力を得て、近代ヨーロッパを代表する巨匠たちの作品80点あまりを一堂に展示します。