宮本三郎(1905~1974)は、石川県能美郡末佐美村字松崎(現小松市松崎町)出身の洋画家です。17歳で上京後、藤島武二らに師事し油彩画を学び、22歳で二科展初入選を果たします。画家として活動する中で、雑誌の挿絵や戦争記録画も制作。戦後各地で復興の動きが起こると、二紀会創設に尽力します。以降、雑誌の寄稿や著書『少年の画室』の出版など文筆家としても活動の幅を広げました。
逝去する前年に出版された画集の中で宮本は「真の解放感と“生への喜び”が一つになったことを、はっきり認識できるのは、ここ十年位の幾つかの個展の制作においてである」と記しています。晩年には、より鮮やかな色彩を用いて「生きる」という人間の喜びを表現していきました。
本展は、故郷石川県で描いた壁画《日本の四季》、晩年の代表作《レ・トロワ・グラース》を中心に、画業を通覧します。生命の輝きを鮮やかに表現する宮本の絵画世界をご覧ください。