今年、日本美術院の創立から120年を迎えること記念し、山種美術館では同院の軌跡をたどる展覧会を開催します。
明治に入り、新時代にふさわしい日本美術のあり方が模索されるなか、岡倉天心は新たな日本画の創造を目指し、1898(明治31)年、横山大観らを率いて日本美術院を創立しました。同院は一時低迷したものの、1914(大正3)年に再興され、古典を規範に日本画の新生面を拓こうとする画家たちの活躍の場であり続けています。
なかでも注目されるのが、創立に参加した大観と菱田春草、および次世代の旗手として活躍した小林古径と速水御舟です。大観は草創時以来、日本美術院の精神的支柱であり続け、春草は短い画業の間に多くの秀作を生み出しました。また、古径は線描主体の格調高い画風を確立し、御舟は次々と新たな日本画の創造に挑みました。
本展では、山種コレクションからこれら4名を中心に、同院の歴史を飾る日本画の挑戦者たちの優品を一堂に展示します。
近代以降の日本画壇において常に先導的な役割を果たし、今なお新たな日本画を創出し続ける日本美術院の軌跡をご覧ください。