佐倉市立美術館では、佐倉・房総ゆかりの作家に関する調査・研究を行っています。
今回は佐倉市在住の金工家、鈴木治平を紹介します。昭和2年(1927年)、千葉市に生まれた鈴木は、東京美術学校(現・東京藝術大学)で鍛金を学びました。卒業後も同校に残り、平成5年(1993年)に退官するまで長年にわたり後進の指導にあたりました。金工の中でも鍛金を専門とする鈴木は、その魅力を「赤熱し打ち延べた鉄の力強く空間を切る緊張感、それと対照的な、焼きなまし、打ち絞った面、稜線の空間を包み込む様な柔らかさ、これは金属以外の素材では表現できない」と語ります。現在は千葉県美術協会理事長、日工会理事をはじめ日展等の中心メンバーの1人として、金属という素材を生かしながら、新しい鍛金の可能性を追求し続けています。本展では近年までの代表作約50点を展示します。