古代のムラにおいて、ムラ人は文字をどのように受け入れたのでしょうか?
また、文字はムラの中でどのような機能をもって使用されたのでしょうか?
近年、発掘調査によって、木簡や文字が記された土器(墨書土器)など多くの文字資料が出土しています。横浜市域・神奈川県下でも多くの墨書土器や興味深い内容の木簡が発見されています。これらによって、古代国家の地方行政システムや地域社会の具体的な様相が明らかになりつつあります。
今回の企画展では、南武蔵地域を中心に相模国地域をふくめ、横浜市・神奈川県域で出土した墨書土器・木簡を軸に、瓦塔、火葬蔵骨器、祭祀資料など多様な資料を交えて、上記の問題に迫ります。また文書による古代国家の地方行政とムラとの関係も探ります。
この企画展は先行する特別展「古代日本 文字のある風景」の関連企画であるとともに、川崎市市民ミュージアム(古代を考えるI 郡の役所と寺院)、府中市郷土の森博物館(古代を考えるII 武蔵の国府と国分寺)と連携した企画であり、3館の展覧会によって、国府・郡家・ムラの問題を総括的にとりあげ、古代の地域社会の様相を明らかにしていくことも目指しています。