日本の美しい自然を表す言葉に「雪月花(せつげつか)」という語があります。もともとは、中国の詩人・白居易(はくきょい 772-846)の詩からでたものとされていますが、日本では四季を象徴する言葉として『万葉集』をはじめ、多くの詩歌や文学、絵画等に用いられてきました。
具体的には季節ごとの代表的な風物として「冬の雪、秋の月、春の花(梅・桜)」をいいます。この風流な言葉を聞くと、目の前に情景が浮かんでくるように感じられることでしょう。
特に日本画の中で「月と花」は、伝統美を表現する画題として多くの画家が繰り返し取り上げています。今回の企画展では、日本の美を現代に伝える平松作品にも数多く登場する「月と花」に焦点をあて、風雅な作品を集めて展示いたします。