岩合光昭は、動物写真家として多彩な活動で知られています。1979年には木村伊兵衛賞を受賞し、また海外でも評価は高く、1980年代にアフリカケニア「セレンゲッティ国立公園」に取材した写真集「おきて」は世界的なベストセラーとなりました。さらに、日本人としては初めて世界的なグラフ誌である「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙を2度にわたって飾りました。
岩合は世界各地の野生動物の取材を重ねる傍ら、人間に身近な動物、特にネコの取材もライフワークとして40年以上取組み、多くの魅力的な作品を発表しています。
本展では、岩合の数々の作品のなかでも、現在NHK-BSプレミアムで放映中の「世界ネコ歩き」をテーマに、岩合の作品とともに現代人を惹きつけてやまないネコの生態の魅力に迫ります。
「ネコは人間とともに世界に広まった。だからその土地のネコはその土地の人間に似る」と岩合は語っています。人々に寄り添って生活するネコの目を通して世界共通の人間の営みを温かく見つめます。