平成30年は、日本が新しい時代に向けて舵を切った明治時代の幕開けから150年にあたります。明治初頭に、日本は西欧の文明を積極的に受容し、人々の生活はいわゆる文明開化と呼ばれた大きな変化を迎えました。
澄生が幼少期を過ごした時期は、文明開化の始まりを明治元年とするのであれば、約30年ほどの歳月が経過しており、文明開化の記憶が既に人々の記憶から遠ざかりつつある頃でした。そのような中で澄生は、文明開化の世界を、記憶に頼るだけでなく、横浜絵や明治期の教科書など、様々な資料をもとに「創造」していきます。
本展は、川上澄生の文明開化を主題とした作品に注目し、彼の感性が文明開化期の日本の姿をどのように捉えたのかを紹介するものです。